アルバム「ババババーン」をより楽しむための手引きのようなもの
 
Byスパイシーナカーノ
 
(※これはあくまでスパイシーナカーノの個人的見解であり、
他のメンバーの見解、そしてリスナーの皆さんの見解とは時に衝突する可能性があることをどうかご了承ください。)
 
 
 
 
アルバムの感想はリスナーの皆さんに委ねられてますし、
本来ならば特に解説はいらないとは思うのですが、
たまにはこういうのを書いてみるのもいいかなと思いまして、
解説を加えられそうな部分のみ、
手短に文章にしてみました。
 
  
 
このアルバムを制作するにあたって、
 
「こういうアルバムにしよう」というような議論をメンバー同士で重ねたわけではありませんでしたが、
ストレートに、シンプルに、
思いっきり明るく、楽しく、元気で、ポジティブなものをつくる、
という目標を少なからず意識していたような気がします。
それは同時にスパイシーコウヤドウフというバンド自体の大きなテーマの一つでもあります(恐らく)。
初めて自主制作するアルバムとしては、
この上なくスパイシーコウヤドウフらしいものを作らなければと思っている節があったので、
自然な成り行きとしてこういった目標を念頭に置くことになったのだと思われます。
あとは、もちろん、シュールさにも多少こだわりました。
 
このアルバムのレコーディングとミックスは、
基本的にほぼ全て、メンバー自身で作業を進めていきました(もちろん技術的に中心となったのはスパイシーマツモトでした)。
ベーシックトラックも普通のリハーサルスタジオで、基本的にクリックなしの一発録りでレコーディングしました。
結果として、色々な面で手作り感やラフさに溢れるものになったと思います。
そういったものも含めて、やはりスパイシーコウヤドウフらしいアルバムになったのではないかと思われます。
 
 
 
1.ハッケヨーイ NO QUARTER
 
相撲とレッド・ツェッペリンが混ざり合った「ハッケヨーイ NO QUARTER」という言葉を思いついたのはちょうどこのバンドを結成した時期で、
この名前はバンド名の候補の一つにさえなっていました(即却下でしたが)。
曲の原型が生まれたのはその約半年後で、徐々に徐々に磨かれ現在の形になりました。
ロック、ファンク、ヒップホップ、そして和モノを融合させたようなさせていないような、随一の迷曲に仕上がりました。
曲の構成は相撲の一試合を表現したかのようになっていますが、
もはや、「ハッケヨーイ NO QUARTER」という言葉の真の意味、あるいはこの曲の真のテーマといったものは一体何なのか、僕にもよく分かりません。
色々なものを背負い込んだ魂の叫びのようなものなのでしょうか。
 
 
2.ババババーン
 
このアルバム、そしてこのバンドのカラーを一番よく表している曲のような気がします。
このバンドが結成されたのは震災直後で、その反動からか僕はとにかく明るく元気な音楽というものにこだわろうと思っていました。
とにかくそのすべてが楽しいようなバンドをやりたかったのです。
「スパイシーコウヤドウフ」というバンド名もその楽しい世界への入り口であり、その名前を耳にした瞬間からショーは始まっているのです。なんちゃってね。
本アルバムで初めてレコーディングした曲で、冒頭に緊張したメンバーの声が収められています(笑)。
前曲から打って変わりすぎて大変なことになっております。
 
 
3.夜は暗いけどドントクライ
 
このバンドで初めて一緒に合わせた曲なので、個人的には思い出深いです。
冒頭のスパイシークラモチのカウントには注目でしょう(笑)。
お客さんには「ババババーン」や「スンマソング」と並ぶ定番の曲として親しんでいただいている曲です。いつもありがとうございます。
 
 
4.くるまパラシュート
 
 曲の構成はシンプルですが、
 
レニー・クラヴィッツとザ・ビートルズが融合したかのような曲調、怪奇現象と自分の人生を重ね合わせるというよくわからない歌詞、
マイナーペンタ一直線のリフ、唐突なボーカル処理、左右を行ったり来たりする音たち、etc色々と実験をちりばめた曲です。
ある夜、僕が家の近所の急坂の下をうろついていた時、
坂の上からライトを放って降りてくる車を見ていたら、何だか車がパラシュートしているみたいに思えてきて、
「くるまパラシュート」という言葉が生まれました。
 
 
5.銀色の腕
 
めくるめく展開で進行する渋めのロックという感じでしょうか。
歌詞は東京の酔っぱらいが街を練り歩いていくようなイメージです。
このアルバムの収録曲は、ほとんどの曲がそれなりにささやかにメッセージを持っているのですが、
特にこの曲はそういったものが前面に出たような気がします。
元々は、震災直後の、過剰なまでに「不謹慎」という言葉を連発する風潮に違和感を覚えて書き始めた曲です。
Bメロでは8人分の声が重なっている感じに聞こえているらしいです。
 
 
6.スンマソング
 
ライブでも前曲と繋げて演奏することの多い曲なので、アルバムでも再現を試みました。
率直に言ってこのアルバムで一番わかりやすい曲なんじゃないかと思います。
元々は約4年前に作っていた曲です。
世の中には全力で愛を叫ぶ曲や全力でキレる曲は沢山ありますが、全力で謝罪する曲はあまりないんじゃないかと思って作った曲、
というわけではなかったのですが、結果的にそうなりました。
シンプルながらも消耗の激しい曲で、本作でも、歌い終えた後思わず言ってしまった「はあ、疲れた」の一言が収録されています(笑)。
 
 
7.天使がいた!
 
個人的にはこのアルバムの収録曲のなかでは一番よく書けた曲かなと思っています。
が、演奏が難しく、完成当初も今も苦戦しています。
よって、ライブではあまりやりません(笑)。
夢の中、そして夢の中の夢で出会った天使とのシュールな物語です。
 
 
8.菜ノ花畑
 
ノスタルジーに浸ったバラードです。
演奏時間は約7分に及びます。スパイシーコウヤドウフで一番長い曲です。
個人的には最も感情移入してしまう曲でもあります。
しかし次の曲で見事なまでに台無しになります。
 
 
9.ハッケヨーイ NO QUARTER (Reprise)
 
色々な意味でサプライズなエンディングを用意できたと思います(笑)。
やはり「ハッケヨーイ NO QUARTER」で始まったアルバムを締めくくれるのは「ハッケヨーイ NO QUARTER」だけです。
この爆裂バージョンはライブでは1曲目のバージョンと繋げて、長尺で演奏することが多いです。
最後は大爆発。めでたし、めでたし。
 
 
 
 
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